執筆: 2022年3月11日
もう僕はロシアに居ません。Special Operation 出国に成功しました。どうぞご自由に過去のことをネチネチ非難してください。
ロシア旅行記 2/24〜
ここに書いてあることは全て非難にふさわしい蛮行であり、ぜひとも辞めてください。僕は僕自身の行動は悪いと思っています。SFCくん(開戦前日にウクライナ行った奴)とやってることは同じです。
戦争中に旅行したことを武勇伝にイキりたいわけではないです。
当時のロシアでの生活を書き残しておきます。ツイッターでは通貨暴落して紙屑!、品不足、パニックみたいなことを言っている人も居ましたが、それらの一部は西側の希望的観測で、要はプロパガンダみたいなもんです。
あまり細かいことは書きません。
日記
2/24開戦~3/11
- クレカ使い情報:基本VISA。マスター使ったときは明示的に書く。
- ニュース:センセーショナルで、人を動揺させるようなニュース (良く言えば重要なニュース)
- 出来事: 僕が体験したこと
の順で書く。ない時は飛ばす。
2/24 オレンブルグ
ニュース:
開戦
出来事:
地元民と普通にセルフィ―撮った。まだ呑気な僕
2/26 チェラビンスク
出来事:
wind scrive導入(この頃からVPN使わないとツイッター見れない)
2/28 チェラビンスク
クレカ:
スーパーマーケット OK
商品は全然ある。(品不足は西側の願望交じったフェイクか、モスクワ等大都市のみだろう)
RZDはVTBバンクが制裁対象のため、クレカ不可。google payも不可 アプリで買えなくなり、これ以降すべて窓口現金。
出来事:
久々に窓口でRZD買った。
ルーブル円が1.38→1.08→買い戻しで1.10
3/1 ズラトウスト
クレカ:
トラム OK
バカルのバスの券 OK
マスターが止められたとのニュースを見かけたが、実際はまだ使えてます。
3/2 サトカ
クレカ:
スーパー OK
3/3 サトカ→ズラトウスト
クレカ:
サトカのバスタで使えなかった 決済銀行は челиндбанк
Уралсиб банк の店はいけてた
3/4 ズラトウスト
クレカ:
トラム OK
バスターミナル OK (сберバンク)
バーガーキング OK (マスターカード)
出来事:
BBCブロック開始。VPN使わないと見れない。戦時情報統制だね。きな臭くなってきた。※以下
首都を核攻撃する気はする(←当時の僕の感想)
この時期でもズベルバンクは使えている。
※追記(口政府がやったのかBBCがフェイク法律を恐れて遮断したかは不明)
Russian ‘fake news’ law could give offenders 15 years in prison – The Verge
この日23時頃Booking com翌日の宿(クバルティーラ)予約→1時間後にブッキングコムロシア排除
3/5 ズラトウスト→マグニトゴルスク
ニュース:
アエロフロートが3/8以降停止とのニュース。機体借りパクのため差し押さえ防止。
Aeroflot, Russia’s State Airline, Says it Will Suspend International Flights – The New York Times
出来事:
Booking.comでロシアの施設は本当に一切表示しなくなった。(ロシアにいても東京の宿を探すことは出来る)
Airbnb, Booking.com halt operations in Russia over Ukraine invasion | The Times of Israel
バスで隣座ったおばあさんが元英語教師らしく久々に英語で話した。色々根掘り葉掘り旅行について聞いてきた。
僕は既に疑心暗鬼になっていて、ちょっと嘘をついた。当たり前だがバスの終点でエフエスベーが待ち構えてることは無かった。すごい後悔した。
ロシア人が根掘り葉掘り聞くのは昔からじゃん。
3/6 マグニトゴルスク
–マグニトゴルスクはマグニト山から鉄資源が出る工業都市。昔はZATOだったらしい
クレカ:
ピトーロチカ OK
トラム OK
ドネル屋 クレカダメ (制裁入ってる銀行なのかな?)
ニュース:
モスクワで重武装の警察が市民のスマホを開示するよう強要 -GIGAZINE
出来事:
今日トラムおばさんが終点でチョコくれた。やっぱロシア好きかもしれない。ロシアが好きなのかロシア人が好きなのかわからないけど好きだ。
3/7 マグニトゴルスク
クレカ:
トラム、スタローバヤ、スーパー 全部OK
ニュース:
ロシア政府が非友好的な国「unfriend country」としてEU加盟国、日本などを指定。幼稚すぎ。ガキかよ。
Nexta「インターネットを海外から遮断すると発表。3月11日までに行う」→ガセネタ 薄々気づいていたが、Nextaというアカウントは若干フェイクニュース垢なので気を付けた方が良い。Wikipediaによるとベラルーシ発祥で現在はポーランドでやっている(既に意味不明)らしいが、やはり旧東側は嘘に対するハードルが低いのかもしれない。
出来事:
朝マルシュ内のラジオででbülow – Revolver が流れてた。僕が凄い好きな曲なんだけど、思いっきり洋楽だしなんか変な気分だった。
3/8 マグニトゴルスク
クレカ:
トラム、サブウエイ(サンドイッチ屋の方)、バスターミナルで明日用の券 OK
キャッシング(сберbank) OK
出来事:
3/5にバスで会った元英語教師のおばさんと偶然会った。僕はトラムが好きで色々な国のトラムを回っていることを話した。(流石に電車撮影のことは言わない)
3/9 マグニトゴルスク→オルスク移動
クレカ:
トラム OK
ズベルバンクキャッシング 7500P
夜ホテルの支払い OK (スベルバンク)
夜スーパー VISAが急に使えなくなり、マスターは決済出来た。
ニュース:
マクドナルド終了
McDonald’s joins US firms shutting down Russia operations | Russia-Ukraine war News | Al Jazeera
3/10 オルスク
ついにSWIFT排除
クレカ:
トラム 朝8:32、8:47まで使えたが、9:39の決済からエラー それ以降だめ
バーガーキングもだめ
終わった。
残り現金28000P強
3/11 オレスク
ニュース:
エアアスタナが保険会社がロシアを保証しないとの関係で運行中止と。
→その理屈で行くと他の航空会社もヤバくないか?
3/12以降はPart2へ
これはヤバいと思ったタイミング
これはやばいと思ったタイミングはこちら。
①2/28 通貨が1.38→1.08になった。
これはビビります。2/24の開戦時はまだ様子を見ようと思ってた人も、この通貨爆発時、出国を検討した人は居ると思います。
“国際的な通貨取引市場が国内物価に反映されるのはかなり先なのでしばらくは単に安い国になる”と理屈をこねることはできます。実際、物価高騰は全然してないです。
②3/4 BBCがVPNなしに繋がらなくなった。
いよいよ戦時情報統制が始まり、きな臭くなったと思います。
③3/5 アエロフロート、ロシアの航空会社が国際線停止。
これはアイルランドの航空会社から機体を借りていますが、制裁でリース契約が継続されないと気づいたロシアが借りパクするためです。
既に2/28に西側の36か国がロシアの航空会社を飛行禁止にしてるため、出国手段が減っていました。ロシアの航空会社まで消えると座席数が減少し、少ない中東航空に集中し価格が高騰すると予想できます。
Russian flights bans hit airlines from 36 countries – aviation authority | Reuters
これはヤバいと思ったタイミングは上の3つです。
僕の考えだと、
- 2/28から出国用の航空券を買うことを検討した人はマトモ。
- 3/5はもう手遅れです。
手遅れの時は、深呼吸して運命を受け入れるべきです。その運命が自らの誤った選択のせいだとしても。
(もう露に住むつもりの人は、手遅れも何もないですし、居て良いと思います。あくまで西側や日本に未練がある人です。)
面倒だなと思ったタイミング
- 2/28 RZDがVTBバンク制裁のため、今旅行初めて窓口現金で切符買った。
- 3/5 Booking.comでロシア表示しない。
戦争中に旅行すべきでないとても簡単な理由を書きます。
精神に凄まじく悪い
–精神に凄まじく悪い。
マジで最悪です。
撮り鉄は待っている間、常に暇です。その時間普通なら「今日の晩飯何喰おうかなー」や「うんこしてー」と考えていると思います。
戦争中に旅行すると話が変わります。「なぜ独裁国家が生まれるのか」「戦争後、ロシアはどうなってしまうのか」「そもそも戦争を終結させる手段、見込みはあるのか」「この国民はどの割合でブレインウォッシュされ、現政権を支持しているのか」
いかがでしたでしょうか、こんなことを考えながら旅行するのはどれだけ最悪かわかるでしょう。
加えて、毎日のように胸糞の悪くなるようなニュースばっかり見ます。もうこの世の終わりって気分だし、そのこの世の終わりに自分が今ちょうど突っ立ってるのは気分最悪です。西に行きたいです。
I don’t feel safe here.
–自分の身が安全と思えない
首都では警察が異様に増え、3/6には武装した警察が市民のスマホ開示を強要したそうです。
僕が居たのは南ウラルという田舎のため、特に公権力が変わった様子は見られませんでした。ただし既に戦争中であり、公権力の対応が通常時とは違う可能性はあります。(ひりついているかもしれない)。あくまで余所者の自分は生きていて安全と感じられません。
※警察による外国人への不当な職質は、結果として4月2日出国まで全くありませんでした
市民が暴力的になった様子はウラルでは見ませんでした。しかし常にブレインウォッシュ放送が流れ続け、政府は「Unfriendly Country」などと言い出す始末、そして通貨暴落は西の陰謀と思っている可能性もあり、そうした人の怒りが向けられる可能性は無くは無いです。
それらは杞憂で、自分に対する暴力事件は結局起きなかったです。治安はまだ良いと思いました。
ウラルで自然豊かで生き延びる手段があるからかもしれないけど。
生活基盤が無い→助けてくれる人が居ない
既にロシアに根を下ろしている人は、コミュニティーに属し、知人同士で助けてくれますが、旅行者は違います。
基本的に助けてくれる人は居ないです。凄い運が良ければ誰かやってくれるかもしれないけど、勝手に他人の善意を当てにするのは褒められたことではないです。
旅行者は金で居ていい権利を買っている
生活基盤がない見知らぬ土地に行くのが旅行者ですが、よりどころになるのは金だけです。
金で居ていい権利を買っています。
そう考えると、
通貨が不安定になった時点でかなり危ないですし、SWIFT排除 -クレジットカードが使えなくなった場所にいるなんて超危険です。
イランのようにクレジットカードが使えないのが日常化し、両替商が大勢いる、両替のインフラが整っている国なら大丈夫です。しかし昨日までクレカ使えた国ではドル両替する場所なんて見つからないです。また、政府が外貨両替禁止と言い出す始末です。
Q&A
Q:じゃあなんであんたは旅行したんだ
A: バカだから。
Q: お前みたいな不謹慎、不届きもの、非国民は消えろ。
A: まあそうですね。それは僕自身が望んでいることです。
一旦おわり
Part2 に続く
(僕は怠惰でpart2を書かないがち)